vol.1 ITALIAN STAND GiGLiO(ジリオ)

記念すべき第1回目にご登場いただくのは、
『ITALIAN STAND GiGLiO(ジリオ)』の富松 愛シェフとソムリエールの安藤 梨乃さんです。
※記事は2020年2月上旬に取材した時のものです。

   

(左)富松 愛 シェフ
パスタ好きが高じてイタリアンの道へ。辻調理師専門学校を卒業し、リストランテとイタリア郷土料理のお店で修行後、GiGLiO(ジリオ)のシェフに就任。鯖も鯖缶も大好きな女性料理人。


(右)安藤 梨乃 さん
トスカーナを偏愛するソムリエールであり、GiGLiO(ジリオ)の店長でもある安藤さん。定期的にトスカーナ地方を巡って仕入れてくるワインや食材、お皿などは、どれもセンスが光るものばかり。

 

 

 

街遊びの達人が集うエリア、大阪・東心斎橋。

数え切れない飲食店がひしめき合っている上に、どのお店も個性派揃い。
訪れる側からすれば、こんなに魅力的な街はありません。

この超激戦区のなかにあって、「本場イタリアの味が楽しめる小さな食堂」として人気を集めているのが、今回お邪魔した『GiGLiO(ジリオ)』です。

お店に入ると、小柄な富松シェフがカウンターからひょっこり顔を出して出迎えてくれました。

店内は、カウンターとテーブル合わせて20席ほど。どの席にいても富松シェフやソムリエールの安藤さんと気軽に会話ができそうな、心地いい距離感で設計されています。

「叔父さんが西洋料理のお店をやっていて、そこで食べるイカスミのパスタが大好きだったんです。そこからパスタにハマってしまい、パスタ好きが高じてイタリアンの道に進みました」

そう語る富松シェフの言葉通り、『GiGLiO(ジリオ)』のパスタは富松シェフがすべて手打ちでつくるこだわりよう。

その腕前は、定期的にトスカーナ地方の郷土料理を食べ歩く安藤さんをして「むちゃくちゃ、おいしいですよ」と言わせるほど。

魚料理が好きで、特に鯖が大好きという富松シェフ。今回のNo.38アレンジのために、いろいろとアイデアを練ってくれていました。

「最初は、香草パン粉焼きにするつもりだったんですよ。でも、安藤さんがフリットにしてみたら?って、アイデアを出してくれて」

普段のメニューづくりでも、ソムリエールならではの鋭い味覚センスを活かし、湯水のごとくアイデアを出してくれるという安藤さん。

「愛ちゃんは揚げると鯖の臭みが強くなるかもって言ってたんですけど、試作してみるとまったくそんなことなくて」

これは、一般的な鯖缶とは違って、0.1g単位で調味料を調整して理想の味を追求しているNo.38ならではのことかもしれません。

そんな試作の末に生み出されたのが、「鯖のフリット ハニーマスタードソース添え」。

まず、はちみつとマスタードを混ぜてソースをつくります。
次に、薄力粉と炭酸水でフリットの衣をつくっていく富松シェフ。

ここでローズマリーを刻んで衣に混ぜるあたりは、さすがのセンス。
ローズマリーのいい香りがキッチンに広がります。

フリットにするため、No.38のオイルはキッチンペーパーで拭き取ってから調理します。

薄力粉をまぶして衣をつけたら、鯖の身を油の海へと放流。
プチプチと小気味いい音を立てながら、No.38がカリッと揚がっていきます。

ソースをお皿に引き、揚げたNo.38と彩り野菜などを盛り付けて、仕上げに軽く塩を振れば完成です。

 

〔 鯖のフリット ハニーマスタードソース添え 〕

 
  
本来なら、これで調理は完了。
しかし、アイデアの源泉をその身に宿す安藤さんが、残ったNo.38を見てポツリ。

「リエットにしても、おいしいと思いますよ」

さて、ここからシェフ交代です。

ニンニクのみじん切りをオリーブオイルで炒めはじめる安藤さん。
香りが出てきたところで、残ったNo.38の身とオイルを小鍋へ投入します。

ジュワッという音とともに、いい香りが立ちのぼります。
木べらで身をつぶしながら煮詰めていき、途中で白ワインを投入。
さらに煮詰めながら、身をつぶしていきます。

途中段階で少し試食をさせてもらう、No.38スタッフ。

おすすめしてもらったワインとの相性も抜群で、試食するだけのはずが試飲の方も進んでしまいました。

 

〔 鯖のリエット ゴルゴンゾーラ添え 〕

レシピはこちら

 

水分が飛んだらパンに塗って、ゴルゴンゾーラチーズとともにいただきます!

「鯖のフリット ハニーマスタードソース添え」は、カラッと揚がったNo.38の食感や香ばしさがたまりません。
そのすぐ後に、かすかに香るローズマリーとハニーマスタードのさわやかな風味が鼻を抜けていき、ふた切れ目へとフォークが自然に動いてしまいます。

「鯖のリエット ゴルゴンゾーラ添え」も、濃厚なゴルゴンゾーラと鯖特有のクセが混ざり合い、何ともいえないハーモニーを奏でます。
時折、唐辛子とガーリックが顔を出し、ハーモニーのなかにいいアクセントが生まれるため、ワインを持つ手を休ませてくれません。

そして、あっという間に最後のひと口に。

誰が食べるのかで、本気のじゃんけん勝負が繰り広げられたことは言うまでもありません。

最後に安藤さんのプチワイン講座を受けながら、イタリアの自然派ワインも飲ませてもらいました。

富松シェフのイタリア料理に合わせて、安藤さんが最高のイタリアワイン選んでくれる『GiGLiO(ジリオ)』。
気さくで楽しい会話と二人の素敵な笑顔ももれなくついてくるので、近くに来られた際は、ぜひお立ち寄りください。

 

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